こんにちは.ヤマトです!本日は大学院に進学を希望する方向けに,学費を抑え実質無償化する方法についてご紹介したいと思います!
大学院に進学を希望する方の中には,,,

院進したいけど金銭面で不安がある…

大学院での学費を賄う方法について知りたい!
という方も多いかと思います.そこで今回は実際に大学院に進学した私が自身の体験を元に大学院での学費を実質無償化する5つの方法についてご紹介したいと思います!
はじめに
今回は実際の体験に基づいているので,基本的に理系大学院生向けのお話になります.また,今回の金額の計算には大学院生の生活費は考慮していません.あらかじめご了承お願いします.
大学院は無償化の対象外

令和7年から多子世帯への大学等授業料無償化が開始されました.これは扶養内にある子ども3人以上の世帯の学生に対し,国から授業料や入学金の支援を受けることができる制度です.この制度には所得基準が存在せず,学ぶ意欲がある学生が採用される予定です.
ただし,注意点としてこの制度には大学院は対象外です. 扶養の人数としてカウントすることはできますが,授業料や入学金の支援を受けることができません.これについては今後の進展に期待しましょう.
大学院の学費はいくら掛かるのか

大学院にかかる費用は国立と私立で金額に大きな差があります.文部科学省の国公私立大学の授業料等の推移では,以下のような費用がかかります.
国立 | 私立 | |
---|---|---|
入学金 | 282,000 | 245,951 |
年間授業料 | 535,800 | 930,943 |
2年間の合計 | 1,353,600 | 2,107,837 |
大学院の学費を実質無償化する方法5選
アルバイトをする

この方法が一番思いつくかもしれません.アルバイトは働く時間や場所を決めることが可能なので大学院生には非常に有効な方法です.ただ,学部生の頃と比較してアルバイトする時間があまり取れないというのが現状です.
仮に学費をすべてアルバイトで賄う計算だと時給によって以下のような計算になります.
(1日4時間勤務として計算)
国立 | 私立 | |
---|---|---|
時給850円 | 1592時間(398日) | 2480時間(620日) |
時給1000円 | 1354時間(338日) | 2108時間(527日) |
時給1200円 | 1128時間(282日) | 1756時間(439日) |
いかがでしょうか.時給や勤務時間によって違いはありますが,大学院生として研究の傍らアルバイトをしていくとなると合計で1年以上,つまり2日に1日は勤務する必要があります.私立ではほぼ毎日勤務する必要があり,これはあまり現実的ではありません.
私もアルバイトを掛け持ちで行ってきましたが,就活や学会,論文提出の時期ではアルバイトに入ることは難しく,翌月の収入が1万円代のこともよくありました.
アルバイトだけで学費を賄うことは難しい
TA,RA制度を使う

TAとはティーチングアシスタントの略で簡単に言うと講義の手伝いをするアルバイトのことです.TAの担当業務は授業や実験の補助,テスト監督,採点など講義に関することについて幅広く行います.
TAは修士から始めることがほとんどで,時給は相場よりも高く,平均して1500円程度です.

TA制度を利用すれば,学費を賄えるかも!!
と思うかもしれませんが,TA業務は自分から増やすことは難しいです.
大学や教授が用意してくれる授業には限りがありますし,TAで取り扱う授業はほとんどが研究室に関連しており,教授から依頼されることがほとんどです.
つまり,学費をTA収入だけで賄うこともまた難しいと言えます.
RAとはリサーチングアシスタントといい,こちらは研究補助のアルバイトになります.私含め,修士の学生でRAを担当する人はあまり多くありません.ほとんどが博士学生が担当しているイメージです.
TA,RAは時給は高いものの,自分から収入を増やすことは難しい
企業との共同研究で稼ぐ

共同研究とは企業と研究室が連携し,1つのテーマについて合同で研究することです.これは企業から研究室に委託する形が多く,委託費用が研究室に支払われています.
その中に含まれている人件費として大学側から学生に支払われます.
こちらも実質の時給は平均して1500円程度です.
実際に私も企業と共同研究を行ってきましたが,追加の作業はほとんどありませんでした.
というのも,修士論文のテーマと企業が求める内容が似ていたため,実際は自分の研究を進めているのに勝手にお金が振り込まれる不労所得のような状態でした.
ただ,これは非常にレアなケースだと思います.研究室によっては人件費が研究室に入ってしまい,無給の状態で研究を進めなければならない人や,自分の論文とは全く関係のないような作業を依頼されてしまう人もいます.
これは研究室によって異なるため,研究室見学の段階で聞いてみましょう.
企業との共同研究による収入は研究室によるため,配属前に確認するべき
給付奨学金に申し込む
まず,給付奨学金には2つのパターンがあります.それは学校独自の奨学金か財団や企業からの奨学金かです.
殆どの大学には独自の給付奨学金が設けられており,審査には授業成績や保護者の収入などがありますが,その学生なら誰でも申し込みすることができるというのが特徴です.
例えば,神戸大学の独自の奨学金制度(エア・ウォーター奨学金)では修士学生を対象に給付奨学金を行っっており,給付金額は年額50万円(1年間の給付期間)となっています.
50万円あれば,神戸大学のような国立大学では授業料を賄うことは簡単となります.
また,私立では例として明治大学の研究奨励奨学金Bというものがあり,授業料の半額相当(およそ30万円程度)が2年間支給されています.
このように,大学独自の奨学金を利用すれば学費を実質無償化することも可能です.
次に,財団や企業からの奨学金です.
これは財団や企業が奨学金を募集し,個人または学校を通じて申し込みます.
この申請対象者や基準も企業ごとに大きく異なることが特徴で,住む地域に限定した奨学金や卒業後にその会社に入社することを条件にする奨学金もあります.
企業系の奨学金は条件を満たしていれば国立私立問わずすべての大学院生が対象となるので,倍率が少し高い印象がありますが,条件さえ満たしていれば何個でも応募できるのでうまくいけば学費をすべて賄うことも可能です.
探し方は自分の所属している大学のHPから応募することもありますが,私は加えてわしまる大学さんのページからも検索していました.
意外とたくさんあるのでぜひ探してみてください!
ただ,注意点として給付奨学金は貸与奨学金に比べて審査が厳しいです.実際,私も給付奨学金を何個か応募しましたが,全部だめでした…
給付奨学金は学校独自,企業財団含めたくさんあり,うまくいけば学費を賄うことも可能
奨学金返還免除制度を利用する

奨学金返還免除制度とは日本学生支援機構が行っている大学院生向けに優秀な実績を出した学生に対して全額もしくは半額の返還免除を行う制度です.
日本学生支援機構では,修士の学生に月8.8万円(合計211万円)を無利子で貸与しています.
大学院の卒業を控えた1月末あたりに学校に申請することで審査を経て推薦をもらい,その後機構から返還免除の通達を受ける形となります.
仮に満額の返還免除を受けることができれば,国立私立問わず学費を賄うことができ,国立の場合では生活費に当てることも可能です.
半額だとしても100万円以上なので挑戦する価値はあります!
この返還免除制度はあくまで卒業後の実績に基づいて審査されます.
そのため,授業の成績や学会の実績,論文投稿など研究者としての業績を報告しなければなりません.
審査に落ちてしまった場合,そのまま返還義務が生じるため学部から奨学金を借りている場合は返済金額が多くなることも注意していください.
現時点では私も大学院を卒業して奨学金返還免除制度に申し込みをしました!結果はまた後日投稿予定です!
奨学金返還免除制度を利用することで学費の多くを賄うことが可能.院での実績が重要!
補足
1番のおすすめは?
1つの方法に絞るとすれば,おすすめは奨学金返還免除制度を利用することです.
これは,大学院での2年間を頑張り次第で獲得することができるので1番再現性が高いと考えています.
アルバイトやTAなどの給与所得としての収入はどうしても限界があります.
また他の奨学金では保護者の収入や住む地域などどうしても自分の力では解決できない要素が含まれています.しかし,返還免除制度は100%自分の実績で勝負する形です.
実際は1つの方法に絞るのではなく,いくつもの方法をバランスよくとっていくことが1番のおすすめです!
大学院に進学すること自体は将来得をするのか?
中には…

借金をするリスクを負ってまで大学院に進学する必要はある?
と考える方も多いはずです.その2年間を先に学部卒で就職して早く稼いだほうがいいのかもしれません.
その考えに対しては実際のデータで見てみましょう.内閣府経済社会総合研究所(2014-06)「大学院卒の賃金プレミアム」の項目5.3「内部収益率」のデータでは学部卒と院卒での生涯年収の差は男女平均で4590万円でした.
私はこのデータから大学院に進学することを悩んでいるのならば進学することをおすすめします.
国立の学費から計算では,135万円を投資して後に4590万円手に入れるのと同じと考えることができるからです.しかもこれが株のようなギャンブルではなく自分の頑張りで獲得できるというのです.
こう考えると奨学金という借金を負ってでも自分に投資するという意味では大学院に進学して勉学に励むことには大きな意味があると思います.
まとめ
いかがでしたでしょうか.このように,大学院で学費を実質無償化する方法は多く存在します.
これらの多くの方法に共通していることは自分の頑張りがそのまま無償化へつなげることができるというものです.是非大学院に進学する際の判断材料にしていただければ幸いです.
ご精読ありがとうございました!
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